「自分の死後、遺された家族同士で争いだなんて、あってほしくない」
遺産相続人同士の争いがトラブルへと発展し、裁判沙汰ということも多からずあります。遺産を残す立場にとって、家族のために働き遺したはずの遺産がトラブルの原因になるとは、想像もしないでしょう。
ただ、トラブルに発展しないように生前からできる防止策はあります。
遺族同士が仲良く幸せであることを願い、生前からできる財産の贈与について解説します。
相続トラブル
生前の「財産」を明らかにし、遺言書を作成する事は重要です。財産は亡くなると、「遺産」になります。
「遺産」について詳しく確認し、生前からできる相続トラブルの防止、いわば遺産相続の準備「終活」の参考にしてください。
遺産相続トラブル
遺産相続のトラブル事例を知ることで対策の必要性が高まるでしょう。トラブルを起こさないために、生前からできる対処法を検討する重要性も分かります。
では、トラブルの3事例を紹介します。
トラブル事例/相続人の誰かが独占しようとする
金銭的な問題だからか、相続人同士のトラブルになりがちです。トラブル事例/相続人の誰かが独占しようとするケースです。
法定上、認められません。優先順位順に遺産割当は決まっています。それに応じない場合は、弁護士に相談し、家庭裁判所に申立ます。
トラブル事例/相続放棄を迫られる
相続放棄を迫られるケースは、弱い立場へ矛先が向かこともあるでしょう。迫られると反論せずに受け入れてしまった場合、原則的に遺産放棄を撤回・取り消しすることはできませんが、脅迫されたという理由であれば撤回・取り返せます。
そのためには、相続人を一堂に会し、遺産相続分割協議を持ちます。
トラブル事例/相続の話し合いがスムーズに進まない
相続の話し合いがスムーズに進まないケースはあります。相続の話し合いである「遺産相続分割協議」の条件は、相続人全員の参加です。1人でも欠けて行い、決定した内容は認められません。
日頃から連絡を取り合う仲であれば良いですが、行方不明者がいたり、認知症で話し合いにならないという場合、代わりに話し合いに参加し決定する代理人をを立てなければなりません。
生前からできるトラブル対策
トラブルの事例を紹介しました。解決は、そう簡単にはいかないことも分かります。
であるならば、トラブルになりうる原因をクリアにしてしまえば、引き起こさずに済むと言えるでしょう。生前のうちからできる、トラブル防止の有効策を1つずつ解説していきます。
遺言書の作成
最も遺産相続の仕方を明快に解決してくれるのが、遺言書です。遺産相続は遺言書を元に相続されます。
「誰に何をどのように」相続するのか、明快に示します。亡くなった自分の想いを遺族に伝えてくれるのが遺言書です。これだけ強い力のある遺言書を生前のうちに準備しておけば、トラブルを防げます。
遺言書を作成する際に重要なのは
- 相続人を明らかにする
- 財産を明らかにする
専門的な回答を得るためにも弁護士に相談すると良いでしょう。経験と知見により調査を進めてくれます。アドバイスをもらうことで、忘れていた財産や、意外と知らなかった財産に気付けるでしょう。
遺言書の書き方が分からない方は、札幌にある相続問題に強い弁護士が在籍している弁護士法人札幌パシフィック法律事務所にぜひご相談ください。
相続人法定割合で平等
相続人法定割合で平等な遺産分けをしましょう。遺産相続を割り当てるその優先順位は法律上決まっています。則って分割し、遺言書に明記しておけばトラブルの原因になることはありません。
生前贈与に注意
生前のうちに贈与する際は注意が必要です。生計を別にする子のマイホーム購入資金援助、起業時の資金援助は「特別受益」とみなされる場合があります。
他の相続人から「特別受益」だと声が上がると、相続遺産を含め、特別受益分を提示し「遺産相続分割協議」やり直し、過去の援助資金まで戻さなくてはならなくなります。
子供のために良かれと思って贈った資金が、亡くなった後トラブルにならないよう、注意しましょう。贈与する際、不安であれば弁護士に相談すると良いでしょう。
亡くなった後のことも踏まえて贈与することで、相続トラブル防止になります。
まとめ/終活で相続トラブルは防げる
自分の死、遺された家族を想うとき、「終活」を始めるのではないでしょうか。終活の目的は、相続トラブルを防ぐためでもあります。
また、ご自身の想い・希望を遺族に明快に伝えるための遺言です。ぜひ、その遺言をもって、ご遺族間のトラブルを防止できることを願うものです。
遺言書作成もやはり、専門的な立場からのアドバイスがあると安心です。気軽に弁護士に相談してみましょう。無料で相談を受け付けている弁護士事務所もあります。